今日は、午前中小学校で行われる子供達の「学習発表会」を観に行った。息子は友達と司会、そしてパンフルートのソロ演奏…。目立ちたがり屋と言う訳ではないが、臆することなく、人前で振舞えるところは、親父譲りか。終了後、担任の先生のところへ行き、息子にチャレンジの機会を下さったお礼を言い、「本物のパンフルートの音を聴かせて上げたい」(超えらそうに、よく言うは!!)とお願いをし、先生から許可をいただいて、クラスに残った子供達の前で、2分ほどパンフルートの演奏を披露した。子供たちは大きな目を開けて、興味津々の顔で私の演奏を見入っていた。
 引き続き、今度は体育館で娘の学年の合同による、合唱・合奏・ボイス&ボディパフォーマンスを観に行った。体育館はすでに保護者で超満員である。娘を見つけると、ビデオの用意…普通のパパである。小学2年生でここまでまとめあげたステージをするなんて、相当みんな練習を重ねたんだな、「頑張ったんだな」と思うと目頭が温まっていくのを感じずにはおられなかった。
 その後、4年と6年の演奏があったが、退席し帰宅。準備の上、ちょうど12時に、鳥取に向けて車を発進させた。
 紅葉の中国山地を「峠越え」して、鳥取に入る。スキー場がある氷ノ山の方角に向って車を走らせる。その手前の山里を奥へ奥へ、さらに奥へ奥へ…。ついに携帯の電波も「圏外」となる。村人のみなさんに道を聞きながら、車を走らせていると、なんだかひとりで「ダーツの旅」をしている気分になってしまった。
 打合せの段階では、岡山からは2時間半でつくと伺っていたのだが、私の車と運転では3時間半もかかってしまった。「遅刻」。到着した時には、琴奏者の方々が予定を繰り上げて第2部の演奏をしていただいて、場をつないでもらっていたのであった。気はせくし、荷物を運んで、息は弾むし… でも、待っていただいたお客様のために、すぐに演奏しなくてはならない。お寺の上の山で汲んだ「おいしい涌き水」を一杯いただいて、精神統一。
到着後、約8分で演奏に入る。お琴とは「もみじ」と「ふるさと」をリハなしで、ぶっつけ本番。そうそう演奏はお寺の本堂の中で行われた。お客様との距離は1メートルほど。そんな状況では、たって演奏も出来ず、はじめてお客さまの前で、正座して演奏した。
 演奏に入るまで、かなりバタバタしてしまったが…。お琴との競演も成功!「琴と『備前の風』の音色が」とても合うのでびっくりしてしまった。ソロ演奏も、歌も、トークも成功!本堂からはしばしば多くの女性たちの笑い声が漏れて、3方を囲んだ山々に響き渡っていたに違いない。気分は「プチ瀬戸内寂聴さん」であった。
 その晩はお寺に泊めさせていただき、地元の方たちと、楽しい一時を過ごさせていただいた。このご縁を下さった、Mさんには、お疲れさま、そして感謝である。囲炉裏に燃える炭の赤と、五右衛門風呂を沸かすマキの炎の赤、そして夕焼けが染める空の赤、そして寺を囲む「もみじ」や「かえで」のみごとな紅葉の赤。今年の10大ニュースに入る、今日一日の出来事たちであった。