二人三脚は難しい時がある。ビジネスの世界でも例外ではない。私のように「自転車操業」でなおかつその自転車が「火の車」になっていれば… 二人三脚のリズムの狂いは、直接的に家計に影響すると言っても過言ではないことを、ここ2ヶ月で苦しいほど知らされた。
 たったひとりの活動である。だから小規模な行事から、中規模な行事まで様々な演奏の依頼が、直接わたしに連絡されてくる。それがストレートに生活費になっているのが現状なので、ご依頼いただいた皆さんには本当に本当に感謝なのである。正直金額もまちまちである。「0(ゼロ)」がいっぱいつくときもあれば… 現物支給のところもあった。でも確実に演奏後の口コミで演奏依頼がさらに舞い込んでくるようになってきている。
 しかし悲しいかな… 半年先1年先の生活費の保証、パンフルート活動の発展を確信できる根拠はまったくないのである。芸術家まがいの看板を掲げた、綱渡り的「その日暮らし」なのである。パンフルート『備前の風』第1号が出来あがってから約3年がたった。
 私の演奏活動はギャラの発生する演奏と、ボランティアの演奏、それぞれがバランス良く出来て、初めて充実したものになると思っている。正直、一生そうありたい。そろそろ先の展望がある程度明確に見える状態になりたいと思っている。
 コンサートも全国展開していきたい。CDも定期的に出したい。そしてスケジュールの許す限り、コンサート会場の近くの施設でボランティアの演奏をしていきたい。「本当に音楽が必要なのは、コンサート会場まで足を運べない人達なのかもしれない。」前にも書いたかもしれないが、病院やいろんな施設で演奏させていただいて、率直にそう感じるようになった。これが「現場で感じた本当の感想である」私に出来るやり方で、この感想に対してアクションを起こしたいと思う。ひとりで出来るのか、自信はわいてこないが、やらなくてはならないと思っている。
 演奏活動の基盤作りの「第一歩」として今回のCDには多大に期待していた。しかし結果的には、その自分の演奏したCDに「2月3月の全国PRのスタートダッシュの足をすくわれた」格好になってしまった。悲しいし、悔しいし、辛い。
「二人三脚ってむずかしい…」こんな失敗した思いを引きずっていると、恐ろしいくらいの「孤独感」と「焦りが」また私を襲ってきそうで…
「わたしはもう何も探せない… だから誰かに探してもらえるよ、たからかに、そして切なく笛を吹くしかないのである。暗闇の中であろうと… 嵐の中であろうと… 人々の冷たい眼差しの中でも。」