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5月3日は倉敷美観地区で行われた音楽イベント「ハートランド倉敷」に出演。夕方はアイビースクエアーの中庭特設野外ステージで、琴奏者の山路みほさんとジョイント・ミニコンサート。この日は日中は30℃を越えたであろう暑さで大変であった。夕方になってもステージ上には熱気が溢れており、たった30分のステージだったが、汗だくになってしまった。でもリラックスした雰囲気で「琴とパンフルートの柔らかい音色」の世界を、みなさんに楽しんでいただけたと思っている。
 そして、演奏が終わるや否や私はダッシュで倉敷川そばの本部に着替えに向かったのであった。本部にはすでに着替えを済ませた「かぐや姫」がスタンバイしていた。そのかぐや姫に合わせるかのように、私は平安貴族のような格好にさせられたのであった。(後日写真が届き次第、HPに掲載します。)長髪を縛り、烏帽子も被った。メガネを外さなくてはならない。そして貴族の衣装は思ってた以上に重くかさばり、腕を横に動かすパンフルートの演奏には、袖の大きさと重さも大変気になった。そうこうしているうちに、舟にかぐや姫と乗る時間になった。全長4メートルほどの和舟に、前から私・かぐや姫・船頭が乗りこんだ。想像はしていたが、それ以上に横揺れが起こり、あまり舟を揺らして演奏すると、かぐや姫が船酔いで気持ち悪くなりはしないかと、少しおとなしめに腕を動かして演奏することにした。本番前から、船の周りは黒山の人だかり、シャッター音とフラッシュの灯りの洪水が私たちを包み、いやが上でも緊張した雰囲気になっていくのであった。まるで記者会見のようであった。
 そして、本番スタート。この日の為に作ったオリジナル曲「かぐや…月の涙」「一期の契り」の2曲を演奏したのである。しかし共演者の琴の山路さんとの距離は約100メートル離れている。川岸に等間隔に配置されたモニタースピーカーの音を頼りに演奏していった。演奏中、舟はゆっくりと川面を滑っていくのである。さぞ幻想的な雰囲気に見えることだろう。しかし演奏者は大変で、舟が進行方向を180度変えるときに、曲をそれぞれ終わらせなくてはならず、演奏のみに集中するのではなく、全体の進行状況も把握しておかなくてはならないため、恐ろしいほどの集中力が必要となった。パフォーマンス終了後、川岸からはわれんばかりの拍手をいただき、パフォーマンスの成功を確信することができた。いやー、それにしてもこの日は疲れた…。
 次の初物は5月4日の夜、岡山県を代表する温泉地「湯郷温泉」にあるホテル「ふくます亭」で宿泊客対象のロビーコンサートを実施したのである。お客様はほとんどの方が県外の方で、ほとんどの方が浴衣を着てリラックスモードであった。しかし最初は「何が始まるんだ?」といった緊張感が漂っていた。でも、パンフルートの力はすごいもので、コンサート最後の曲では知らぬもの同士のお客様が楽しくみんな歌っていたのである。おまけにアンコールまでいただいた。最前列に座っていたお婆ちゃまは、コンサート終了後、楽しそうにるんるんと小躍りするように、お部屋に戻って行かれた。聞けば、そのお婆ちゃまは、ホテルに到着した時は、両脇を抱えられて元気なくやって来たとのことである。「温泉&パンフルート」で心も身体もほっかほかになったのであろう。このコンサートの様子は、5月9日午後6時30分ごろKBS「瀬戸内海放送」テレビのニュースで紹介される予定である。
 そして今日6日は、岡山フィルハーモニー・オーケストラのオーディションをはじめて受けた。それもパンフルーティストとしてではなく、歌うたいとしてである。毎年行われているオーディションで、合格者は9月15日に岡山シンフォニーホールで、岡フィルと競演できるのである。声楽部門の男声は私だけであった。そして衣装も本格的でなくてはならないオーディションであった。初めての蝶ネクタイである。白い蝶ネクタイを締めたフォーマルな格好で歌ったのである。それだけでも緊張してしまう。実は、残念なことに5月3日の夜から体調を少々崩し、のどと鼻(鼻詰まり)のコンディションが今一つ二つであった。睡眠の長さや起床時間を調整して、ベストの体調に持っていこうとしたが、完璧ではなかった。「本番までにはベストな体調にするのが本当のプロだろう?」そんな声が心のそこから聞こえてくる。5名ほどの厳しそうな審査員の先生の前で、「誰も寝てはならぬ」をイタリア語で、ピアノ伴奏で歌った。一週間後には合否が通知されるそうであるが、今までにない緊張感を味わうことができた。それだけでも、私にとってはかなりの収穫であった。うーん、まさに「初物尽くし」のGWであったわい。