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やっと「ばたばた」の状態が落ち着いた。5月15日にNHKラジオの「ラジオビタミン」に出演、そして地元岡山の山陽新聞に私の記事が掲載されて以来、何百もの反響が直接私のところに届いている。そして何人もの方が、泣きながら(声の感じから容易に推測できるくらい)、ラジオでの演奏やCDを聴いた感想と激励を私に伝えてくださるのである。
反響の中には、今現在「心や身体」を病んでいらっしゃる方やそのご家族の方、生きる気力を失いかけていた方などから、「パンフルートの奏でる日本の歌に、心底癒され涙が止まりませんでした。」とか「生きる気力をもう一度抱くことができました。」などの感想を多数いただいたのである。
 この事態の意味を、私なりに深く思い巡らした際、演奏活動を始めたころに発見したことを思い出しました。「私の演奏するパンフルートの音楽は、コンサート会場まで足を運ぶことのできない人にこそ、聴いてもらうべきものなのである。」ということである。
 そして考え抜いた結果、ひとつの企画を思いついたのであった。

それは「パンフルート・コンサート・キャラバン」である。

病院施設等での、患者のみなさん向けコンサートは、経費の関係等でクリアーしなければならない問題があるケースが多く見られる。ましてや遠方の病院でコンサートをさせていただくなどは、なおさらのことである。そこで今回は「キャラバン・ツアー」と銘打って、一都道府県に数日(大都市の場合は約1週間)滞在して、そのエリア内で演奏会を巡回して行うことを考えたのである。乗用車で移動し、宿泊は車中泊を行い、腰の痛みと戦いながら、経費削減に努める。

そして今回のツアーの特長は「会場となる病院からは定額の出演料はいただかない。」というところにある。その代わり、カンパの募金箱を置かせていただき、合わせてCDの即売もさせていただく。「赤字になりはしないか?」などの不安材料はいくつかあるが、「今、やらなくてはならない。」と思ったことを今までやってきて、現在の自分がある。ここは自分を信じて、実施するのみである。そう思っている。

ひとまずは中国地方、中でも一番人口の多い「広島県」を皮きりに始めて行こうと思う。実は、昨秋、「中四国医師会」の総会の懇親会で、数百人の先生方、関係者の皆さんの前で、演奏はさせていただいているのである。早速昨日、岡山県医師会を訪問し、昨秋お世話になった担当者の方にお話し、その日のうちに企画書をメールで送らせていただいた。さて、どのような展開になることやら、経緯を日記で公開して行こうと思う。

24日に岡山で行ったコンサート、あいにくの天気ではあったが、会場いっぱいのお客様がお集まりいただいた。今回は本格的クラシックのピアニストの方の協力により、シューベルトの「アヴェ・マリ」や「千の風」、そしてエリック・クラプトンの「ティアーズ・イン・ヘヴン」なども、歌とパンフルートで披露することができた。そしてさらに「歌のお兄さん」にも挑戦したのである。歌声喫茶の歌唱リーダーよろしく、会場の皆さんを盛り上げながら「手のひらを太陽に」と「ピクニック」を、パンフルートを使わず、歌とピアノだけで皆さんに合唱の楽しさを味わっていただいた。まるで昭和のころのバス遠足の車中のような楽しさがあった。会場となった「八角園舎」は私が世に出るきっかけを与えてくれた建物である。もともと幼稚園の園舎であった、八角形の木造建築である。驚くほど音の響きがよいのである。私の大好きな場所である。 来年もこの時期、コンサートを行いそうな気配がする。

25日の、兵庫県は三木山フォルクローレ音楽祭も、引き続きの雨模様となったが、多くの方が集まっていらっしゃった。私は今年で3回目の参加であるが、一年振りに会う、フォルクローレ愛好者の皆さんと再会を喜び合った時の気持ちは、ちょったした同窓会気分である。「NHKのラジオ聴いたよ」と多くの方から、お声もかけていただいた。さすがNHK、と思った。

そして昨日、大きな予定が決まった。 それは、8月6日広島の「平和記念公園」で行われる野外コンサートに出演することである。このコンサートでは、原爆の中を潜り抜けた「被爆ピアノ」が演奏に使われる。広島・三倉岳で行われた「フォルクローレ音楽祭」に出演したことがきっかけで、今回の出演が実現したのである。私の出演時間は夕方の20分間ほどであるが、詳細が決まり次第HP上で、お知らせしようと思う。