この二週間は、実にバライティに富んだ演奏会の連続となった。 岡山県総社市の保育園二園で二日連続となる「敬老保育での演奏会」を行わせていただいた。そして病院の保護者会での演奏、その夜には岡山の「美作三湯」の一つの温泉ホテルでの演奏。ゴールデンウィークに続いてのアンコール・ロビーコンサートである。「敬老の日」を含む三連休のホテルだったので親子孫三世代の家族旅行のグループがいくつもあったのが特徴的であった。幼稚園に行く前のかわいい女の子をひざに乗せて、私の演奏を楽しんでくれていたおじいちゃんの笑顔を今でもはっきり覚えている。
 そして翌日はなんと、作東町のホテルで行われた結婚式の披露宴で演奏を行ったのだ。心がほんわか温まる披露宴であった。その出席者のひとりにとても耳の遠いおばあちゃんがいたのであるが、私がパンフルートの演奏を始めると、なんとそのおばあちゃんがメロディにあわせて歌を歌っているのである。楽しそうに「赤とんぼ」や「朧月夜」を歌ってくれたおばあちゃんに、大声でお礼をいうと…どうも私の声は届かないようであった。実に不思議な体験だった。そういえば最近、CDを買って下さった方からのお礼のお便りをいくつか受け取っている。その中の多くの割合の手紙に「ひどい不眠症だったのが、今井さんのCDを聴くようになってから、ぐっすりと寝られるようになりました。おかげでここのところ毎朝、爽やかな目覚めを迎えています。ありがとうございました。」といった内容が書かれているのである。人によっては、私のパンフルートの音楽は「漢方薬」のように、じんわり身体に効いていくようである。演奏者の私としては、「うれしいような戸惑いも覚えるような」少々妙な感じもする。
 さて、結婚式の二日後には、今度はお寺での演奏会である。「花嫁人形」や「母さんの歌」の演奏に多くのおばあちゃんたちが涙されていたのが、とても印象的だった。
 そしてこの週末には、神奈川県に出かけていたのである。来年二月のコンサートの打ち合わせのためである。詳しくはまだ発表できないが…予想以上に中身の濃い、そしてバラエティに富んだ構成内容になりそうである。中々よそではお目にかかれないコンサートとなりそうである。キーワードは「揚琴」と「朗読」である。