遅ればせ、遅ればせであるが、「フィガロの結婚」の「偉大なお殿様(伯爵)」役を、無事に演じきることができた。オペラプラザ岡山の今回のオペラに集まった多くの方との出会い。そしてオーケストラの演奏で歌う初体験。自分の性格とは真逆といってもいい、「あちこちの女性に手をだす権力者」つまりは「かたき役」を演じることの面白さ。などなど今回は、私の音楽人生のターニングポイントになったと思う。

 さて、昨日は島根県の飯南町にあるお寺で演奏させていただいた。「夜のお花見法話会」と題された行事で、200人近い方が集まられていたそうである。まさに老若男女の方が集まっていらっしゃったが、年に一度のこの行事を、みんなが一緒に楽しみながら過ごしているのが、本当に実感できた。コンサート終了後は地元の食材料理が盛りだくさんの宴となり、初めていただくキノコや山菜料理が何種類もあって、それを地元の皆さんといただいていると、本当に「ダーツの旅」のような気分になるのである。同じ中国地方のくくりの中ではあるが、まだまだ知らないことや行ったことのない所は山ほどあるんだろうなと、感じたものである。

 さて次の週末は、二日間広島で演奏である。18日は三倉岳で行われる「マチュピチュ・エン・ハポン」に出演する予定である。この音楽祭が始まってから、毎年声を掛けていただいている。

 そうそう、ここのところ、多くの再会を果たしている。「フィガロの結婚」では高校時代の同級生に再会。そして驚くべき偶然として・・・私が以前勤めていた「ラボ教育センター」の関係者の方と、立て続けに再会しているのである。話は飛ぶが今回の「フィガロの結婚」での私の演技や立ち振る舞いの基本には、このラボ教育センターで体験した「テーマ活動」と、今所属している「ヴォイスパフォーマンス」での経験がある。パンフルーティストになってからの人脈と、それ以前の人脈とがまるで立体的なくもの巣のように、複雑な模様を作り出しているようである。さて、このくもの巣に、どんな新しい夢がつかまってくるのだろうか。うれしい胸騒ぎがかすかにしてくるのである。