商品バリエーションを持たせたい。以前からそう考えていた。備前の風はストレート・パンフルートなので、表裏両方から演奏可能である。そして持ち運びも(収納)も楽なのである。それが昨年、イエソンの特注モデル「左利きパンフルート」をゲットして、わかったことは、一般的なカーブしたパンフルートのほうが、長時間の演奏や速い曲を演奏するには楽であるということである。いつかは備前の風のカーブ配列バージョンを作りたいと思っていたのだが、備前の風の特徴である「固定には竹板を使う」という方式は残したいと思っていた。しかし竹板の湾曲加工(表反りと裏反りの両方)の実験になかなか踏み切れず、今日まで本格的なカーブ配列パンフルートは作ってこなかった。しかし今年から生産再開、そして楽器店との取引も行おうとしている、この節目に、いっちょ挑戦してみるかと、奮起一番、カーブパンフルートを作ってみた。その結果、記念すべき「備前の風〜虹〜」(22管)が完成したのである。近日中にこれを商品ラインナップに入れようと思う。それにともない、備前の風の価格改定も検討してみようと考えている。

つまり「備前の風」は従来のストレート配列と、左手に低音がくる(ルーマニア式では左利き用といわれているようである。ちなみに私はこのタイプを吹いている。)「虹」と、右手に低音がくる「虹」といったバリエーションが出来たことになる。

 そして実は今、1.5オクターブ程度で「安価な」パンフルートの製作にも挑戦しているところである。出来上がったらまたここで紹介したいと思う。