備前の風を作り始めて初期のモデルを、私はコンサートのメインの楽器として使用している。もちろん最近では、「虹」の22管もちょくちょく使っているのであるが、やはりここ1番と言うところでは、上記の写真の20管を使うのである。つまり5年間、いつも私の傍らにあったパンフルートなのである。北は茨城県や東京から、南は大分まで、そしてNHKラジオの「ラジオビタミン」のスタジオでもこのパンフルートを吹いたのである。ファーストCDもセカンドCDもすべてこの笛の演奏だったと思う。

さー、そのパンフルートを5年目にしてはじめて解体することにした。主たる目的は、ひもの交換である。5年間の演奏の汗が固定用の紐に染み込んで、少々「しょっぱくなっているので」交換するのである。その解体したパーツが上記の写真である。5年間耐久テストのつもりで、わざと乱暴気味に扱ってきた。炎天酷暑の広島平和記念公園での屋外演奏や、手足がかじかむような寒さの中での演奏も経験してきた。この間何度かチューニングは修正したが、それ以外はほとんど何もしていない。それなのに紐を解いてびっくり、痛んでいるところはどこもなかったのである。しいて言えば、油抜きの竹の茶色い色の度合いが増して、存在感が増してきているところであろうか。

これからもよろしくなのである。