8月20日東京入り。高田馬場で20日夜のコンサートの共演者とリハーサル。

21・22日、三軒茶屋で行われた「三茶フェスティバル」に「備前の風」の楽器店を出店。21日夕方には、イベントステージで30分の演奏パフォーマンスを披露。そして21日の夜には同じく三軒茶屋でコンサートを行った。

 今回のスケジュールは、ざっとこんな感じである。何はともあれ今年の夏の暑さは、西日本も東日本も等しく激しいのである。東京のヒートアイランドで行われた「三茶フェスティバル」。民族楽器等のLOBOさんとブースを分け合って、私はパンフルート、LOBOさんはオカリナをデモンストレーション。興味をもったお客さんには演奏体験もしてもらった。楽器フェアでもない、地域の「一般的な」お祭りで私のパンフルートが売れるものなのか?疑問はあったが・・・ デモ演奏が功を奏してか、結果的にお二人の方が私のパンフルートの最新シリーズ「備前の風R」を購入してくださったのである。実はこの「R」シリーズは、まだHP上では公開していない「入門者向け」のパンフルートである。近々にHPで公開しようと思う。

 さて、LOBOさんにはオカリナ奏者の人脈が非常にひろく広がっている。出店中、何人ものオカリナ奏者の方が陣中見舞い、そして演奏していかれるので、ブースの宣伝に一役買ってくださったというところである。私たちの隣のテーブルには何種類もの民族系のパーカッションや口琴、そしてディジュリドゥなどの販売があり、私たちのコーナーだけが小さな楽器フェアといった感じであった。

21日の夜のコンサートについて書くことにしよう。まずはお越しくださったお客様。多くは関東方面の方で、私のCDやパンフルートを以前買ってくださった方、そしてそのお知り合いの方やそのお知り合いのお知り合いの方といった数珠繋ぎの人脈でお越しの皆さん。そしてLOBOさんの人脈からのお客様もいらしていた。ここでびっくりしたのは、岡山からのお客様(私の教室の生徒さん)。それから岡山の私のファンの方からメッセージと贈り物が届いていた。それからそれから、なんと九州の福岡から、数年前に購入した「備前の風20管」を携えて、お越しくださったお客様もいらしたのである。その方とは、即席のミニレッスンをさせてもらった。そして年末には福岡でコンサートをする可能性が大きいということも伝えておいた。お客様の顔ぶれでまずはびっくりである。(余談かもしれないが・・・岡山に帰ってみると、私を応援する会「ホスピタル・パンフルートの会」:〈HP参照〉の会員の方から、ご自宅でとれた桃をたくさん送っていただいていたのである。私を応援くださるみなさんからのプレゼント、食べ物や栄養ドリンクなどは、うれしさことのほかである。)みなさん、本当にありがとうございます。

さて、コンサートの内容は、3分の2が私のソロ。そして3分の1が3組の他楽器とのコラボ演奏といった内容であった。ソロ演奏では普段のコンサートどおり、童謡唱歌やわらべ歌に子守唄から懐メロといった、みなさんがよく知っている曲を中心に演奏した。演奏の合間に楽器の説明や自己紹介や演奏会でのこぼれ話など、トークにも花を咲かせたのである。ところが時間配分を間違ってしまったのか、演奏するつもりでいた「G線上のアリア」、サンサーンスの「白鳥」、「ユモレスク」「トルコ行進曲」「オブラディ・オブラダ」などのメドレーが出来なかった。いやいやこれは反省である。

後半のコラボは、まずオカリナ奏者の方と「美女と野獣」「浜辺の歌」を競演。無伴奏コンサートだったので、お互いが交互にハーモニーをつけたり、伴奏風に吹いたりで行った。オカリナとの相性がこんなに良いとは、ちょっとびっくりであった。二組目は「ティンホイッスル」奏者の方と。一般的な楽器店で目にするティンホイッスルは30cmほどの長さのかわいらしい笛であるが、今回の共演者の方はいろんな国のいろんなサイズのティンホイッスルをお持ちで、「こんなに大きくて低音のティンもあるんだ」などと勉強になってしまった。ティンホイッスルのイントロで世界的大ヒットになった曲「マイ・ハート・ウィル・ゴー・オン」(映画「タイタニック」のテーマ曲と言ってもいいだろう。)を競演。そしてオカリナとティンホイッスルとパンフルートと私の歌で「荒城の月」も演奏した。海外発祥といえる3種類の笛と私の歌で表現する「荒城の月」。つくづく思ったが、笛の音色というのは、やさしさの中に切なさをいつも秘めているようで、趣があるのである。

さて、コラボの3組目は・・・今回のオオトリである。南米の民族楽器「ケーナ」の製作・演奏を長年行ってこられている、大木岩夫さんとの競演である。南米ペルーやボリビアなどの民族音楽「フォルクローレ」で旋律の中心を担う笛、それがケーナである。昨今は俳優の田中健さんや平泉成さんといったケーナプレーヤーや製作者がテレビなどに登場することもあって、日本での知名度はぐんぐんアップしている楽器ともいえる。そんな日本でのケーナ奏者の草分けでもある大木さんと競演できるなんて・・・パンフルートを作って6年目の青二才は、うれしさと緊張のミックスジュース状態なのであった。観客の皆さんが知っている曲を演奏しようと思い、「コンロルは飛んでいく」と「花祭り」をリクエストさせていただいた。本番では太鼓の方1名、そしてケーナやサンポーニャ(パンフルートと同じ原理で音が出る葦でできた笛)の演奏者の方2名も加わり、にぎやかに盛り上がったのである。

2時間のコンサートがあっという間に過ぎ去ってしまった。でも今回の東京出張では、昼も夜もたくさんの方に私のパンフルートの音を聴いてもらえた、そして知ってもらえた、そして新しい人脈がどんどん広がっていくのを実感することができた。それからもうひとつうれしかったのは、東京のコンサート会場に私のパンフルートを持っていらっしゃる方が、東京と岡山と福岡から来てくださったことである。製作者&演奏家の私にとってこんなにうれしい、そして感慨深い思いは初めてかもしれない。

今回出会った皆さん、それからこんな素敵な機会をすべてお一人でセッティングしてくださったLOBOさん、本当にみなさんありがとうございました。