突然であるが、珍しい写真を掲載する。(写真をクリックすると拡大します)

CDジャケットといっしょに写っている、小さなパンフルート。これは特注でオーダーが入った、「パパゲーノの笛」である。オペラ「魔笛」の中で、パパゲーノが吹く笛である。通常、舞台では、リコーダーのように音を出しやすい仕組みの「見た目はパンフルート」といった笛を使うことが多いようであるが、「パンフルートでパパゲーノの笛を作って欲しい」というオーダーが入ったので、製作してみると、とても高い音域のため、こんなにコンパクトな笛になってしまったのである。見た目はとてもかわいくて、鳥のさえずりのような音色なのだが、初心者がきれいな音を出すには、かなりの練習が必要になると思う。

 そしてもう一枚の写真は、「ダブルレインボー」なのである。「備前の風」シリーズの「虹22管」が二つ写真に納まっているが、上側のパンフルートが、今日完成した「虹22管(右低音モデル)」なのである。右低音のルーマニアスタイルのパンフルートを吹かれる方からの、注文で作ったのだが、なかなかいいのが出来上がった。おっと、そういえば詰め物をまだ入れていないので、完成ではなかったか。そして、下側のパンフルートが最近のコンサートでよく使っている「虹22管(左低音)」なのである。実はこれは「虹」の製作第1号で、試作品に近いともいえるものである。湾曲させた竹板をどの程度まで削ればいいのか、そもそもどの程度までそり方の逆の2枚の板をそらせばいいのか・・・、試行錯誤の末、出来上がったものなので、今日の「虹」に比べて、「重くて、そりが甘い」のである。今日の「虹」は完成後、しばらく寝かせたり、最終調整したりしてから、三重県に送られるのである。そして実は、先日また「虹」の注文が入ったのである。今度は私と同じ(右低音)なのだが、20管サイズである。ここのところ、途切れることなくパンフルートの注文が入ってくるようになってきた。不思議なような、うれしいような、忙しいような・・・である。

 そして、演奏の依頼も県内外から、途切れることなく寄せられてきているのである。不思議なような、うれしいような・・・やっぱりうれしいのである。中でも、うれしさひとしおなのは、9月17日、18日の夜、京都の嵐山の保津川(桂川)ヘリで、また演奏をする機会をいただいたことである。2年前の嵐山のお月見の会(夜、川船に乗って川の上から名月を楽しむというもの)で数時間ノンストップでソロ演奏させてもらった。ちなみにそのときの格好は平安貴族のような装いであった。今回はお月見ではないが、夜の舟遊び(具体的にはまだ良く知らないのだが)的な行事を行うに当たって、またパンフルートの音で演出して欲しいとの、リピート・オーダーなのである。詳しいことが決まったら、お知らせしたい。

 今週末は、土曜の夜が矢掛町で、そして日曜の午前10時からは高松市の栗林公園での演奏である。ETC休日割引がなくなったのは、けっこう財布に響くのであるが・・・。復興が最優先なのである。なんだかまた被災地に行くような気がする・・・。これも詳しく決まれば、またお知らせしようと思う。