これは10月9日に行われた、倉敷市真備町での「竹林音楽祭」での衣装である。竹林で平安貴族風の衣装で演奏したのは初めてである。パンフルートは「排笙(はいしょう)」という名で、正倉院に保存されていたことがわかり、天平のころ、間違いなく日本に存在してた楽器であった。大陸から入ってきたのであるが、日本の古典音楽「雅楽」の中には、その奏者はいないのである。しかし奈良時代や平安時代にはもしかすると、排笙の演奏家いたのかもしれない。そう思うと、平成の世にパンフルートを吹くこの私に、平安の排笙演奏家の魂が乗り移るというストーリーも考えられる。少々オカルト的か? しかし演奏中の私の「えせ麻呂言葉」は会場の皆さんをさぞかし、沸かしたものである。またこの身なりで、夜の竹林で、高台から会場を見下ろすようなロケーションから、アカペラで朗々と歌い、パンフルートを吹いた「千の風」はいままでにない雰囲気をかもし出していた。うん、これは新境地開拓である!!

さて、11月3日、23日は高知と岡山でジョイントコンサートである。今回は「誰も寝てはならぬ」(テノール声域のオペラのアリア)を歌うことになっている。最近、少々のどの調子?というか肺の調子が今ひとつのところがあり・・・、不安要素があるのであるが・・・ もしかすると人前でこれを歌うのは、今回が最後になるかもしれない。 実は今回のコンサートは私の演奏家人生の中で、レアなものになるかもしれないのである。一人でも多くの方にその目撃者、証人になってもらいたい。強く強くそう思っている。